寂庵だより 今月のことば

寂庵だよりバックナンバーはこちら

2003年

1月号 他を利するとは

 他を利するとは即ち自らを利するなり
インド竜樹の「十住毘婆沙論」のことば。人は一人では生きられない。他との摩擦をさけて通りたければ、他者を理解
しなければならない。自分だけの意志を通せば仲間を外される。他者の心や立場を思い、自分の我を通さず、他者の
利益になるようにつとめることが、自分の利益にも報いてくる。アメリカは世界一と思うなら弱い貧しい国に、慈悲を持つ
べきである。

12月号 火は物を焦がすと

 火は物を焦がすとその火は知らず、水は物を潤すとその水は知らず。仏は慈悲して慈悲を知らず。
江戸、至道無難「至道無難禅師法話」より。人は火や水から計り知れない利益を受けているが、火や水はそのような
利益を与えていることを自覚していない。仏も同様である。人間は必ず自分の善業に対して利子のついた報いを期待
して汚い。無償の行為の出来るものこそが幸福なのである。

11月号 神や仏を祈らずとても

 神や仏を祈らずとても、直ぐな心が神仏。人が見ぬとていつわるまいぞ、我と天地がいつか知る。鈍な者でも正直なれば
神や仏になるがすじ。江戸、白隠慧鶴「草取唄」より。他人が見ていないからと言ってごまかしてはいけない。自分と天地
とはだませない。愚鈍な者でも正直であれば神仏になれるのが筋だ。信仰は神仏に守られるためのものではなく、自分が
そのまま神仏になることだといいきっている。

 

 

 

「寂庵だより」ご購読の申し込みは寂庵ホームページまでお願いします