香道について

香道では香りを「嗅ぐ」と言わず「聞く」と表現します。

香道とは一定の作法のもとに香木を焚き、たちのぼる香気の異同によって古典的な詩歌や故事、情景を鑑賞する文学性、精神性の高い芸道です。
現代は、和歌や物語文学の世界を主題にした「組香」が主流で、そこでは、いくつかの香木が焚かれ香りを聞き分け合いますが、優劣を競うものではなく、あくまで香りで表現された主題を鑑賞し、その世界に遊ぶのが目的です。

お香の種類
線香◇ 目的によってさまざまな種類や長さがあります。

一般のお線香
(10cm〜30cm)

主にご家庭で仏事に使われます。仏事での焚き方や本数は、宗派によって異なります。また、伽羅や沈香を多く用いた高級線香は、仏事だけではなくお部屋で楽しむ香りとして、お客様のおもてなしにも。
長寸のお線香
坐禅香とも云われ、禅堂で用います。大型の香炉に立てて使います。
短寸のお線香
嗜好性の高いお香で、お部屋で楽しむお香として数多く発売されています。

うずまき型長時間燃え続けるので、広い空間や玄関など空気の流れの多い場所に適しています。専用の香皿や香立てを用いるか、よく乾燥させた灰を香炉に敷き詰め、その上に直接載せて焚いてもよいでしょう。この方法なら、途中で折れて短くなったお香も、最後まで無駄なく焚くことができます。
コーン型(△) 短時間に強い香りを出すことができ灰も散らばらないため、人気の高い、使いやすい形です。円錐の先端に点火し、そのまま香皿や灰の上に置いてお使いください。

焼 香香木や天然香料を細かく刻んで調合した細粒状の香。仏前で、直接炭団や炭火の上に薫じます。
塗 香最も粒子の細かなお香で、片栗粉のようになめらかです。俗に清め香とも云われる如く、主に密教寺院等で、本尊に供えたり、読経や写経を行う際に、少量を手や身体に塗り、心身を清めるために用います。
抹 香非常に細かい粉末の香で、古くは仏塔や仏像などに散布していました。仏前で焼香の時などに用いたり、長時間くゆらせておく時香盤や密教用具の火舎などにも用いられます。
匂い袋・掛香古来、衣裳の防虫のために天然香料を刻んで調合し、袋に詰めて香りを楽しむ習慣があり、王朝文学などにも見られます。現代では車の中やのれんに吊るすほか、身につけたり箪笥に入れたりして衣服へのうつり香を楽しみます。少し大きめのものは玄関先などに置いて、美しい形と香りをお楽しみください。匂い袋はよくビニール製等の外袋に入れられていますが、最初は香りも強いものですから、外袋のまま衣裳箪笥の隅に置いてご使用ください。また、匂い袋の中に入っているお香だけを買い求め、自作の匂い袋に詰めるのも楽しいものです。
防虫香古書や掛け軸、人形等の虫よけ用に調合されたお香です。香袋が品物に直接触れないよう、和紙等に包んで箪笥や箱の隅へ置いてください。また、白檀の香りは防虫効果が高く、木を薄くスライスしたものを敷いて使うこともあります。衣裳用として用いることもできます。